お正月飾りの中でも大事な鏡餅ですが、本来はたくさんの飾りが付いています。
最近はスーパーやホームセンターなどでパックに入ったお餅を買うと、セットになっているのは大きなものだと「三方」「四方紅」「御幣」と「お餅」、それからプラスティックの「みかん」でしょうか。
じつはそれ以外にもまだ、いろいろな飾りつけがあります。
これらは地方地域やご家庭によっても違うのですが、一般的な鏡餅の飾り付けと飾り方のお話をいたします。
ウラジロとユズリハって何?
裏白(うらじろ)とゆずり葉と聞いても「何のこと?」という方もいらっしゃるかと思います。
まずこの2つのお話をしますね。
裏白
裏白はシダ類の仲間です。
その葉の裏面が白いのことから『裏白』と呼ばれていて、2本の裏白を漢字の「八」の字に見えるように飾ります。
裏白の葉は左右が対象なので「夫婦円満の象徴」、それからシダ類は古い葉と新しい葉が一緒に成長することから「末永く繁栄するように」という願いも込められています。
ゆずり葉
『ゆずり葉』は新しい葉が出てきてから古い葉が落ちるということから、家督を子孫に譲って家系が代々うまく続いていくことを象徴しています。
鏡餅のお供え
鏡餅にはまだほかにも、お供えするものがありますのでご紹介しますね。
昆布
昆布はおせち料理にも入る縁起物ですね。
「よろこぶ」の意味が込められたものです。
それから「子生」とかいて「こぶ」と読み、子宝に恵まれるようにという願いも込められています。
もう少し突っ込んだお話をすると、昆布は北海道が主な産地です。
北海道を昔は「蝦夷」と呼んでいました。
その蝦夷で取れることから、昆布のことを「夷子布(えびすめ)」と呼んで、七福神の「恵比寿様」にかけて福を祈願したという意味合いもあります。
串柿
串柿は干し柿を串に刺したもので、三種の神器のうちの一つである「剣」に見立てたものとも言われています。
柿は「嘉来」に通じる縁起ものです。
御幣と四方紅
御幣(ごへい)と四方紅(しほうべに)の赤色は炎を意味する魔除けの意味、白色はすべてを清める象徴の色です。
御幣で白一色の「四手」というものもあって、これには四方に手を広げて繁栄するようにという意味が込められています。
橙
橙(だいだい)は木から落ちずに大きく育つことから、代々家が大きく繁栄して落ちることがないように、という願いが込められています。
また、橙は三種の神器のうちの一つである「玉」に見立てたものとも言われています。
このほかにも「エビ」や「搗栗(かちぐり)」、「鶴」「亀」「南天」など、地方地域やご家庭によってさまざまなお供えがあります。
それから先ほど「串柿が剣」、「橙が玉」に見立てたものと申しましたが、鏡餅の「お餅は鏡」に見立てたもので、「三種の神器」をそろえたお正月飾りとなっているのです。
鏡餅のお供えの仕方
三宝の上に四方紅、または半紙を敷きます。
その上に裏白、ゆずり葉の順番に正面から「八」の字に見えるように飾ります。
その上にお餅を2段に重ねます。
そしてお餅の上に串柿、その上に橙(みかん)、扇の順番になります。
御幣と四手のどちらかと昆布は四方紅の上でもいいし、2つのお餅の間に挟んでもいいし、お餅と橙で挟む形でも良くて、決まりはありません。
それから、裏白の表と裏のどちらを前(表)にして飾るかというのは、一般的に白い裏面を前(表)にして飾るケースが多いですが、この点も決まりはありませんので、地域やご家庭によります。
鏡餅を飾る場所
鏡餅を飾る場所は基本的には床の間と言われています。
しかし最近は床の間のない家も増えてきていますので、その場合は家族のみんなが集まるリビングがいいでしょう。
避けていただきたいのは、テレビや電話などの音が出るもののそばや上です。
神棚の設置も同じですね。
さらに、できれば高い位置に飾るのが良いです。
少なからず見下ろさない高さで、見上げる高さです。
それから、できればその年の恵方に向けて飾ることをおすすめします。
各部屋に小さな鏡餅を飾ることも良いことですのでおすすめいたします。
お正月飾りのウラジロとユズリハなど鏡餅の飾り方はどうやるの?の【まとめ】
鏡餅のお供えと飾り方、飾る場所のお話をさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
何度も申し上げるようですが、お供えするものや飾り方は、地方地域やご家庭によって飾るものも飾り方も違いますので、必ずしもこれといった決まりはありません。
それよりも「飾る場所」のほうが大事なことになります。
いち年の福を宿してくださる歳神様に失礼がないように、気持ちを込めてお供えすることで、幸せないち年になります。
いや幸せな一生にしましょう。
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