お月見と言えば十五夜と月見団子、それからとがった草のようなものが頭に浮かびます。
十五夜は旧暦の8月15日の夜のことで、今で言えば9月の終わりから10月の初めくらいの時期にあたります。
お月見のときには月見団子をお供えしますが、アナタはどこにお供えしますか?
それからお団子以外にお供えするものはありますか?
そこで、お月見のときのお供えするもの、とがった草のようなものや、お供えする場所などについてお話しようと思います。
お月見のときにお供えする草は何?
お月見の絵や写真などを見ると、月見団子と一緒に描かれていたり写ってる、草みたいなものがありますよね?
アナタはあの草は何だと思います?
あれはススキです。
「そんなの知ってるよ。」と思いましたか?
意外と知らない子供も、今どきは多かったりするんですよ。
田舎に住んでいると馴染みはありますが、都会で生まれ育つとなかなかお目にかかれないものです。
私が生まれた頃の東京といえば、まだ畑や野原も多くてススキはたくさん生えていました。
でも今はなかなか野生のススキは都会では見られなくなりましたよね。
私は現在、東京を離れてメチャクチャ田舎に住んでいるので、周りにはたくさんのススキがあります。
申し訳ありません、少しお話がそれましたね。
十五夜のお月見のときに月見団子と一緒にお供えされる草は「ススキ」です。
月見団子とススキ以外には月見草と桔梗など七草
十五夜のお月見のときに、月見団子とススキ以外にはお供えする必要はないの?
という疑問があるかもしれませんね。
もともとは「萩(はぎ)」も一緒にお供えするおうちが、多く見られました。
ハギと言えば「おはぎ」ですよね。
あんころ餅の「おはぎ」です。
ところで、「月見草」という言葉を聞いたことはありませんか?
月見草とはハギのことです。
萩(ハギ)は字を見ればわかるように、「草かんむり」に「秋」と書きますよね。
まさに秋を代表する植物なのです。
そしてススキもハギも「秋の七草」です。
ですから、ほかの秋の七草である「桔梗(ききょう)」「撫子(なでしこ)」「葛(くず)」「女郎花(おみなえし)」「藤袴(ふじばかま)」も一緒にお供えするご家庭もありました。
「おはぎ」のことはこちらでお話をしているので、ご参考にしていただけたらありがたいです。
⇒『お彼岸のおはぎはいつ食べますか?ぼた餅とおはぎは違うもの? 』
月見団子にはどんな意味があるの?
十五夜と十三夜
十五夜のお月見に付き物の月見団子ですが、十三夜のお月見でもお供えします。
今では十五夜がメジャーで伝えられていますが、もともとは十三夜と十五夜はセットのようなものでした。
十五夜と十三夜の意味
十五夜と十三夜にはなぜ、月見団子をお供えしてお月見をするのか?
そもそもお月見とは何のためにするのか?
という疑問が沸いてくるかと思います。
お月見の行事は、農作物の収穫前の祈願と収穫後の感謝を神様にするとともに、自然の象徴でもあるお月様にもしたということなのです。
というより、昔はお月様が神様である、もしくはお月様には神様がいると考えられていたからなのですね。
そのようなことから、昔は月の満ち欠けによって暦(こよみ)が作られていました。
農作業なども月の満ち欠けを見て進められたりと、月は昔の人にとって、とても大きな重要な存在だったのです。
そして1年の中でも最も美しく見えるこの時期のお月様に、月見団子をお供えして祈願と感謝をしたということなのです。
十五夜のときはこれから収穫の時期に入るので、無事に収穫できることを祈願して、十三夜のときには無事に収穫を終えたことに感謝をして、収穫したお米でお団子を作ってお供えしていたのです。
月と同じ丸いお団子をお供えして食べることで、健康と幸せを得ようというのが、お月見の目的でもあります。
もともとは里芋だった
また、お月見でお団子をお供えするようになる以前は、主食の一つだった「里芋」がお月見でお供えされていました。
十五夜は里芋の収穫を感謝する行事として、別名「芋名月」とも呼ばれています。
いまでもお団子ではなくて里芋をお供えする地域があります。
月見団子の数って決まってるの?
これは地域によっても違うし、一般的にも2つの説があります。
ひとつは「満月の数」に合わせたという説です。
その年の1年間で満月が出るのは12回だから月見団子の数は12個。
「うるう年」だけは13個になります。
もうひとつは十五夜だから15個という説です。
この説の場合、十三夜は13個になりますよね。
ススキをお供えするのはなぜ?
もともとススキは稲穂に見立てたものです。
稲穂をお供えする代わりに用いられました。
地域によってはススキを代用せずに、稲穂を飾るところもあります。
さらにススキは切り口がするどいことから魔除けがあるとされて、お月見でお供えしたススキを家の軒先に吊るしておくと、一年間病気をしないという言い伝えがあります。
それで、稲穂ではなくてあえてススキを飾る、という習慣が定着したとも言えます。
ちなみに、お供えするススキノ本数に決まりはありません。
お好みの本数をお供えして大丈夫ですよ。
月見団子やススキは仏壇にもお供えするの?
月見団子をお供えする場所
十五夜や十三夜のお月見は先ほどもお話しましたが、お月様に祈願と感謝を伝える行事です。
ですからご自宅でお供えする場所は「月が見える場所」です。
そして昔なら、お供えした月見団子を、お月見をしながらいただくのに適した場所が縁側だったのです。
現在は縁側のある家は少なくなってきているので、アナタのおうちの中でそれに近い場所があれば理想ですけど、なければお月様が見える窓辺がいいですね。
お月様が見える窓がなければ、いずれかの窓辺にお供えしてから家族みんなでいただきましょう。
理想は朝お供えして、その日の夜にいただくのが良いですね。
仏壇にはお供えするか?
神様とお月様に祈願と感謝をするお月見ですが、もちろん仏壇にお供えすることも悪いことではありません。
ただし、宗教宗派によっては嫌うご家庭もあるかもしれませんので、ご主人や義両親に確認するのがいいかもしれませんね。
問題がなければ、お供えすることでご先祖様もお喜びになるのではないでしょうか。
もちろん、仏壇にお供えした月見団子も食べて問題はありませんよ。
むしろ召し上がるほうが良いことになります。
月見団子以外の食べ物
「月見」と言うとほかに何か思い浮かぶ食べ物はありませんか?
まずは「月見うどん」「月見そば」ではないでしょうか。
お蕎麦屋さんのメニューにありますよね。
ご家庭で作るお母さんも、いらっしゃるのではないでしょうか?
最近はお蕎麦屋さんで月見うどんを注文しても、海苔(のり)がのらないお店が多くなりましたが、昔は必ずと言っていいほど海苔がのっていました。
なぜかと言うと、海苔を「雲」に見立てていたからです。
そのほかにも、マクドナルドの秋限定メニュー「月見バーガー」は有名ですよね。
それから、中国のお月見には欠かせない厄払いの「月餅」があります。
あとは、月に見立てた丸い「どら焼き」や、「うさぎ饅頭」などのうさぎをかたどった和菓子もありますよね。
お月見とハロウィンは似ている
じつは日本のお月見と、西洋のハロウィンはとても似ている点があります。
ハロウィンで月見団子をお供えするわけではありませんよ。
日本の地域によっては「月見どろぼう」という風習が意外と多く見られます。
庭先にお供えした月見団子を、近隣の子供たちがつまみ食いするという風習です。
月見どろぼうと呼ばれるくらいですから、もちろん地域の人はあらかじめ、子供たちが盗んで食べることを承知の上で用意しておきます。
より多くの団子を用意して、より多く盗まれた家には幸せが訪れるという言い伝えがあります。
ちょっとハロウィンと似てますよね。
お月見の草はススキ?仏壇にもお団子を飾る?お花は桔梗がいいの?の【まとめ】
昔から伝わる日本の習わしの中でも比較的に今でも行われているお月見ですが、やはりしっかりとした意味があるのですね。
それにしても日本の行事は農業に関わることが多いと思いませんか?
というか、ほとんどそうかもしれませんよね。
それは日本人が農耕民族であった証であり、農業は自然に依存するものだから、神様や自然に常に祈願や感謝をしながら生きてきたということです。
この感覚というのは私個人は好きだし、これからも日本人には、出来ることなら受け入れて伝えていって欲しいなと思います。
こちら「のむねるたべる」を訪れていただきまして、誠にありがとうございます。
アナタに感謝を申し上げます。
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