年末になると忘年会やお歳暮、大掃除、そしてクリスマス、大晦日、お正月の支度などなど忙しくなりますよね。
クリスマスに気が集中してついつい忘れてしまう方も多いかと思いますが、『冬至』という行事があります。
冬至の日にはかぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりする方もいらっしゃるでしょう。
そこで冬至のお話をいたします。
冬至とはどんな日?
冬至とは二十四節気の大雪(たいせつ)と小寒(しょうかん)にハサまれた22節目の時期にあたります。
二十四節気のことはこちらでお話していますので是非ご覧になってください。
⇒『二十四節気の順番は?最初は立春で最後は大寒は知ってるけど』
また、北半球においては南中高度がもっとも低くなって、一年のうちで昼間がもっとも短くて、夜がもっとも長くなる日です。
日の出がもっとも遅く、日の入りがもっとも早い日ではありません。
日の出が一番遅くなるのは1月初めから10日ごろ、逆に日の入りが一番早くなるのは12月初めから10日ごろとなります。
冬至の日がもっとも日が短いということは、その次の日からは段々と日が長くなり始めるということで、昔の人は一年の初めの日と捉(とら)えていました。
さらに、冬至は一番日が短い日なので太陽の力がもっとも弱い日で、この日から段々「運」が上昇していくとも考えられていました。
つまり、冬至から夏至に向かって運が上昇していって、夏至が1年の中でもっとも運が強い日。
そして夏至から冬至に向かって運が下降していって、冬至がもっとも運が弱い日と考えられていたのです。
冬至には「ん」のつく食べ物を食べて幸運をつかむ!!
その日の力が再び強くなり始める冬至の日を「一陽来復(いちようらいふく)」の日として、運が上昇し始める日にさらに運をつけようと「ん」のつく食べ物を食べるという『運盛り』という縁起かつぎが始まったのです。
また、「ん」は最後の文字なので、はじめに戻ることから「一陽来復」に通じるとも考えられていました。
「一陽来復」というのは冬が終わって新たな春が来ることや、悪いことが続いたあとに運気が上昇していくという意味があります。
そして「ん」のつく食べ物でも「ん」が2つ含まれる7つの食べ物が「冬至の七草」と言われています。
かぼちゃ(南瓜)ナンキン
にんじん(人参)
れんこん(蓮根)
ぎんなん(銀杏)
きんかん(金柑)
かんてん(寒天)
うんどん(饂飩)うどん
以上の7つになります。
このほかにも、みかんや大根も良いとされています。
風邪を引かずに冬を乗り越えるための栄養がそろっていますね。
ただの語呂合わせではないことがわかります。
冬至にお風呂に入れるのは「ゆず」
これも冬至の習慣で『ゆず湯』というのがあります。
「冬至にゆず湯に入るとその冬は風邪をひかない」と言われていて、湯船にゆずを入れてつかります。
なぜ柚子(ゆず)なのかというと、昔から香りが強いものには邪気が寄ってこないと言われていて、冬の時期が旬の柚子は香りが強いことから身を清める効果があると考えられていました。
「ん」のつく食べ物を食べて運を呼び込む前に、厄払いの意味でゆず湯に入って身を清めるという考え方が現代にも受け継がれてきたのでしょう。
さらに無病息災を祈るという風習にもなっています。
じっさいのゆず湯の効能は血行を促して冷えを防いだり、冷え性を緩和して身体を温めるというものがあります。
余談にはなりますが、香りが強い邪気を払うものとして西洋ではニンニクと言われてきました。
冬至は何日?
冬至もその年によって何日かは変わりますが、2018年は12月22日(土)になります。
たいていは12月22日ですが、近い年では2020年と2024年、2028年、2029年が21日になります。
冬至には「ん」のつく食べ物を食べるのが習慣?カボチャじゃなくて?の【まとめ】
冬至の日にゆず湯に入って、カボチャを食べるということは知っている方も多かったと思いますが、「ん」を2つ含む「冬至の七草」があるのは知らない方もけっこういたのではないでしょうか。
ゆず湯に入ってカボチャを食べれば今年の冬は風邪を引かない、ということ以外にも深い意味があったのですね。
昔の人というのはよくそこまで物事を深く考えたものだと感心させられます。
こういった風習は一年に一回ですが忘れることなく実行して後世に残していきたいですね。