秋刀魚の旬といえば秋でしょ!!と思っている方は多いと思います。
それを証拠に秋刀魚には「秋」という文字が入っていますよね。
たしかに秋の魚の代表格だし、俳句の季語としても使われるくらいです。
ところが、1年のうちでサンマが最も美味しいのは、7月の終わりくらいから8月にかけての夏サンマなのです。
この夏サンマの塩焼きがナンバーワンというお話をお伝えいたします。
秋刀魚(サンマ)とは
秋刀魚の由来
サンマはもちろん魚です。
分類としてはダツ目サンマ科にあたり、別名は「サイラ」という回遊魚です。
紀伊半島付近では古くからサンマのことをサイラと呼んでいたようです。
今ではすっかり「秋刀魚」という呼び名が定着していますが、これは秋に漁れる銀色に光る刀のような魚、という意味から来ています。
サンマの生態
日本近海のサンマの回遊パターンはいくつかの種類がありますが、太平洋沿岸、もしくは日本海沿岸の南に当たる、暖かいところで孵化(ふか)した稚魚が北上しながら成長します。
北太平洋からオホーツク海に達した成魚が、秋になると産卵のために再び南下していきます。
寿命は2年ほどで、海面近くを群れとなって回遊します。
サンマの主な産地
日本全国で水揚げされるサンマの量を産地ごとに表すと、およそ次のようになります。
北海道 45%
宮城 15%
岩手 10%
富山 8%
福島 7%
千葉 5%
長崎 4%
神奈川 3%
三重 1%
静岡 1%未満
その他
おおよそこのような割合で、近年水揚げされています。
北海道で水揚げされる量が圧倒的に多いことがわかります。
この北海道で水揚げされることと、夏サンマがナンバーワンということが大きく関わっています。
秋刀魚の旬は秋ではなくて夏なのはナゼ?
一般的にサンマは親潮と黒潮がぶつかる、世界三大漁場と言われている三陸沖で水揚げされるものが、脂が乗っていて美味しいと言われています。
三陸沖で水揚げされるのは9月~10月の1ヶ月ほどです。
先ほどもお話しましたが、その前に北海道の近海からサンマは南下を始めます。
その北海道オホーツク海の北の海域、つまりロシアとの境界線ギリギリの位置からサンマの水揚げは始まります。
その時期が7月中旬くらいにあたります。
そして少しずつ南下して北海道根室沖にいる8月頃までが、餌が豊富で、まだ回遊も始まったばかりだから体力も消耗しておらず、脂がガッツリ乗ったサンマなのです。
これが、北海道で漁れる夏サンマがナンバーワンだという理由です。
秋刀魚は秋が旬だと言われているのはナゼ?
それは日本の市場に多く出回る時期が秋の9月~10月になるからです。
7月~8月にかけて北海道で水揚げされるサンマは、まだ水揚げ量も少なくて一般の市場には出回りません。
サンマが南下して北海道の襟裳岬から三陸沖で水揚げされるようになると、ようやく一般の市場に多く出回るようになります。
ですから、市場に流通される時期からして、サンマの旬は秋と言われているのです。
秋刀魚の旬は夏!北海道でとれる夏さんまの塩焼きがナンバーワンのおわりに
7月~8月の時期に北海道の根室沖、北の海域で水揚げされるサンマはナンバーワンとは言っても、それを食べることはなかなか容易なことではありません。
北海道に住んでいれば別ですが。
東京ではなかなかスーパーではお目にかかれないサンマのお刺身も、北海道ならメチャクチャ鮮度の良い脂がのったサンマが、しかも安価でスーパーの店頭に並んでします。
今では流通が発達して日本の国内ならどこにいても、何でも食べられるような感覚もありますが、魚も果物もやはり本場でとれたての旬なものが一番だ、ということですよね。
最後までお読みくださいまして、感謝を申し上げます。
どうもありがとうございます。
ほかにもこんなお話をしているので、よろしければご覧になっていただけたら嬉しいです。
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