ストレスによる記憶力の低下や物忘れがおこるシステム
最近、「記憶力が落ちたな」「物忘れが多くなった」という方は、ストレスが原因かもしれません。
欲望や感情を抑え込む脳の前頭前野
ストレスは感情や衝動を抑える働きをする脳の前頭前野の支配力を弱めてしまいます。
そのことが原因で不安を感じたり、普段は抑え込んでいる暴飲暴食やお金の浪費、しまいには薬物乱用などという衝動に負けたりしてしまいます。
前頭前野は集中力を高めて作業に専念させたり、情報を一時的に記憶する働きをします。
それから精神を制御する役割があるため、状況にそぐわない思考や行動などを抑制しています。
つまり前頭前野の働きによって、集中や計画、判断、意思決定、洞察、想起などができるようになっています。
前頭前野にストレスがかかると
脳にストレスがかかると、ノルアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質が放出されます。
そして前頭前野においてこれらの濃度が高くなると、行動を調節する能力が低下し神経細胞間の働きがやがては止まってしまいます。
次に副腎がストレスホルモンと言われるコルチゾールを大量に放出します。
この流れが慢性化すると、脳の中の感情や記憶にかかわる部分の働きをもつ海馬の神経細胞が破壊されて、委縮してしまうことから情報伝達が円滑に進まなくなります。
そうすると記憶力が低下して物覚えが悪くなり、すでに記憶していたことも思い出せなくなります。
さらに進むと脳の記憶を消滅させて、最終的には脳の細胞が死に至ります。
この流れこそストレスが記憶力を低下させ、物忘れをひどくさせるメカニズムです。
ストレスを軽減する付き合い方3つのポイント
脳内にストレスホルモンを溜め込んで記憶力を低下させられたり、物忘れがひどくなったり、衝動に負けたりしないために、ストレスの受け止め方、付き合い方で改善させる3つのポイントをお伝えします。
運動
運動をすることによって交感神経が働きます。
それと同時にストレスホルモンも活発化して増えますが、それは一時的な現象で、運動をやめるとストレスホルモンは一気に減少して、およそ2日間はストレスホルモンがおさえられるというデータがあります。
睡眠
快適な睡眠によって寝ている間に脳のダメージを修復させることが出来ます。
趣味
正確には趣味というよりも、打ち込めることを見つけることです。
ストレスにより増殖したストレスホルモンを、何かに集中することで減少させることができます。
もちろん集中することがやりたくない仕事や勉強などだと逆効果になりますが、好きなこと、やりたいこと、打ち込めることならば良い方向に働きます。
ストレスによる記憶力の低下!ストレスなくす付き合い方のおわりに
運動、睡眠、趣味の3つを常に意識して生活の中で実践し、ストレスの感じ方を軽減し調整していくことで健康な脳を保ちましょう。